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2011.07.07 Thursday |  | - | - | - | 

5.かけがえのない時間

< かけがえのない時間 >   2001.8

はい、ただいま。

4泊5日の実家での滞在を終えて、夕べ帰ってきた。

2週間前より父は痩せていた。もう歩けるのが不思議なぐらい細い体になっていた。
目を覚ましている時間は、一日2時間程度。あとは、ずっと眠り続けて、時折目を覚まして天井を見ている。 何を考えているのだろう。。。

「おとうさん」と声をかけると、
「おぅ、まだいたんか。家は大丈夫か?彼は料理できるのか?」
とうちの家の事を気遣っていた。

「うん、大丈夫よ。それぐらい、できるできる」
「それなら良かった。。」
そういってまた眠った。

昨日、帰り際、父に
「今から帰るから。またすぐ来るから。だから、ちゃんとたべとかないけんよ。」というと、父は私をじっとみて、

「もう、だいだい、これぐらいで終わりだろうね。。。」と言った。

言いたいことは分かっていた。分かっていたけど、認めたくなかった。

だから
「絶対、すぐ帰ってくるから。それまで元気にしとらんといけんよ。」と必死で言った。

この前初めて父の手を握って、今度は二回目。

私があんまり強く握ったら、壊れてしまいそうな手だ。
出来るならずっと離したくなかった。

母が「バスの時間に遅れるよ。」と声をかけてくれた。

バス停まで送ってくれた姉。バスから見える門扉のところに立って手を振っていた母。

…そして、あの屋根の下で、静かにバスの発車音をきく父。。

こんな悲しい、仕方ない別れは初めてだと思いながら、窓の外の景色をみていた。。

2007.03.15 Thursday | 08:18 | comments(0) | trackbacks(0) | My Family | 

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2011.07.07 Thursday | 08:18 | - | - | - |